IPOの新ルール導入から約半年が経過しました。

なかでも、公開価格は仮条件の下限の80%以上かつ上限の120%以下の範囲内で決定できるといういわゆる上限突破ルールは何かと話題になっています。

そこで、これまで公開価格が仮上限の上限を突破したIPOの初値をチェックしてみました。ちなみに、上限突破したIPOの公開価格はなぜか全て上限の120%で決まっています。

上限突破したIPOの初値はイマイチ

公開価格が仮条件の上限を突破したIPOの初値結果
銘柄コード
銘柄名
上場日
主幹事
公開価格
初値価格
利益騰落率
5597
ブルーイノベーション
2023年12月12日
SMBC日興証券
1,584円
2,023円
439円27.7%
5616
雨風太陽
2023年12月18日
SMBC日興証券
1,044円
1,320円
276円26.4%
5868
ロココ
2023年12月20日
野村證券
1,128円
1,100円
-28円-2.5%
5621
ヒューマンテクノロジーズ
2023年12月22日
みずほ証券
大和証券
1,224円
1,194円
-30円-2.5%
145A
L is B
2024年3月26日
野村證券
1,188円
1,553円
365円30.7%
148A
ハッチ・ワーク
2024年3月26日
SMBC日興証券
2,160円
2,815円
655円30.3%
150A
JSH
2024年3月26日
SBI証券
456円
893円
437円95.8%
149A
シンカ
2024年3月27日
SMBC日興証券
1,320円
1,671円
351円26.6%
175A
Will Smart
2024年4月16日
大和証券
1,656円
1,580円
-76円-4.6%
合計(1単元(100株)当たり)117.6万円
141.5万円
23.9万円20.3%

騰落率={(初値価格-公開価格)÷公開価格}×100

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公開価格が仮条件の上限を突破したIPOの初値騰落率の平均値は上記のように20.3%でした。

ちなみに、今年のIPOの初値騰落率の平均値は54.9%(2024年5月19日時点)なので、やはり初値は抑えられる傾向にあるようです。

より多く資金調達しながら初値を抑制できているので、当局にとっては思惑通りですね。

ただ、公開価格が仮条件の上限を突破したIPOの初値の1/3が公開価格を割れているのは大問題です。20%も高く売りつけた挙句に初値が公開価格を割れるなんて笑えませんね。

個人投資家はより多くの資金を拘束されたり、購入をキャンセルするとペナルティを受けたりするので、例えば証券会社側も上限突破したIPOの初値が公開価格を割れた場合、その後1ヶ月間は仮条件の上限を突破させてはいけないといったペナルティを付けてほしいです。

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上限を突破する時はなぜ全て120%なのか、上限を突破したIPOは9銘柄もあるのに下限を突破したIPOはなぜ一つもないのかなど、疑問点は多々あります。

個人的には早くルールを改正してほしいと願っていますが、当局にとってはすごく都合の良いルールなので、しばらく続きそうです。

しかし、今年の10月には新ルール導入から1年を迎えるので、そこで是非ともルールを見直してもらいたいものです。


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