2023年10月からIPOにおける公開価格の設定プロセスが変更されます。今回は、公開価格の設定、売出株数、上場日程について変わるので、かなり大きな変更になります。

実際に実施されてみないと何とも言えませんが、しばらくは色々と混乱するかもしれません。

そろそろIPOが新規承認されると思うので、今のうちに2023年10月以降のIPOの変更点についてご紹介したいと思います。

IPOの変更点

仮条件の範囲外での公開価格設定、売出株式数の柔軟な変更

一定の範囲内であれば、ブックビルディングをやり直すことなく、「仮条件の範囲外での公開価格の設定」及び「公開価格の設定と同時に売出株式数の変更」ができるようになります。

ちなみに、一定の範囲内とは下記の1~3までの全てを満たす範囲になります。

  1. 公開価格が仮条件の下限の80%以上かつ上限の120%以下の範囲内で決定されること
  2. 「公開価格決定時の売出株式数」が「仮条件決定時の売出株式数」の80%以上かつ120%以下の範囲内であること
  3. 「公開価格決定時のオファリングサイズ(株式数(募集株式数+売出株式数)×公開価格)」が、「仮条件下限×仮条件決定時の株式数×80%以上かつ仮条件上限×仮条件決定時の株式数×120%以下」の範囲内であること

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例えば、仮条件800円~1,000円、募集株式数100万株、売出株数100万株の場合、下記の1~3の全てを満たす範囲内であれば、ブックビルディングをやり直すことなく設定可能となります。

  1. 公開価格:640円以上1,200円以下
  2. 売出株数:80万株以上120万株以下
  3. オファリングサイズ:12.8億円以上24億円以下

公開価格はこれまで仮条件の範囲内で必ず決まっていましたが、今後は公開価格が仮条件の上限を上回る可能性もあるため、ブックビルディングの時の価格範囲も上限が仮条件の120%になるかもしれませんね。

上場日程の期間短縮(承認前提出方式)

上場承認日から上場日までの期間を短縮し、市場環境等の変化による価格変動リスクを低減するため、上場承認日に提出している有価証券届出書を上場承認前に提出し、必要な手続きを早期化する方式での上場が可能となります。(承認前提出方式)

承認前提出方式では、今までは1か月程度であった上場承認日から上場日までの期間を21日程度に短縮することが可能となります。

今後は、IPOする企業が承認前提出方式と、従来の上場承認日に有価証券届出書を提出する方式(承認時提出方式)のどちらかを選択することができます。

上場日程の期間短縮

上場日程の柔軟化(承認前提出方式・承認時提出方式)

これまでは上場承認時の有価証券届出書や目論見書に特定の上場日が記載されていましたが、今後は一定の期間(1週間程度の範囲内)の上場日程(条件決定日、申込期間、払込期日、株式受渡期日、上場日等)を記載することが可能となります。

また、上場承認後の市場環境等を踏まえ、時機をとらえた上場を可能とする観点から、金融商品取引所への上場申請を取り下げることなく、訂正届出書の提出による上場日の変更等が可能となります。

今後は、上場日が1週間程度の範囲内で変更される可能性があるので、気を付けなければいけませんね。


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以上、実際に始まって見なければどうなるか分かりませんが、IPOが少しでも良い方向に向かってほしいですね。

個人的には、同時上場をなるべく減らし、バランス良く日程を組んでほしいと切に願っています。

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